「開発」から「サステナブル」へ! 令和6年改定の「土地基本方針」が示す新しい土地のあり方
2026年09月25日
測量

いつも株式会社つきさっぷ士所、つきさっぷ土地家屋調査士事務所のブログをご覧いただき、ありがとうございます。代表の荒木崇行です。

これまでのブログでは、私たちの暮らしや財産を守るためのルールの大元である「土地基本法」や、それに基づく「境界確認の重要性」についてお話ししてきました。 この法律に基づき、国が長期的な視点で土地政策の方向性を示す「土地基本方針」というものがあるのですが、実は令和6年(2024年)6月11日に大きな方針の変更(閣議決定)が行われました。

本日は、この新しい「土地基本方針」がこれまでのものとどう違うのか、そして私たちの生活や土地の管理にどのような影響を与えるのかを、わかりやすく解説いたします。

■ なぜ今、方針が変更されたのか?(3つの背景)

国が土地のルールを見直した背景には、日本社会が直面している劇的な変化があります。

  1. 人口と世帯数の減少:空き地や空き家が増加し、土地の需要そのものが低下しています。
  2. ライフスタイルの変化とDX・GX:コロナ禍を経たテレワークの普及による地方移住への関心の高まりや、脱炭素・自然共生(GX)、デジタル化(DX)といった世界的な潮流が起きています。
  3. 災害の激甚化・頻発化:気候変動による水害の増加や、巨大地震のリスクが現実のものとなっています。

■ 最大の変更ポイント:「宅地化(開発)」から「サステナブル(持続可能)」へ

今回の改定で最も大きく変わったのは、土地政策の「根本的な考え方」です。

かつての日本では、人口が増え経済が成長していくことを前提に、「いかに土地を開発して宅地を大量に供給するか」が土地政策のメインでした。

しかし、これからの時代は違います。

新しい方針では、これまでの「宅地化等を前提とした政策」から大きく軸足を移し、「サステナブル(持続可能)な土地の利用・管理」の実現という新たな目標が掲げられました。利用価値の低くなった土地は無理に宅地にするのではなく、地域の状況に応じて別の用途へ転換するなど、適正な管理と循環を作り出していくことが目指されています。

■ 具体的に何が変わる?(3つの主な柱)

「サステナブルな土地の利用」を実現するため、具体的に次のような取り組みが強力に推し進められます。

  1. 所有者不明土地・低未利用土地への対応強化 これまでも当ブログでお伝えしてきた「相続登記の申請義務化」や、土地を国に返す「相続土地国庫帰属制度」を円滑に運用し、管理されずに放置される土地や空き家を防ぎます。
  2. 防災・減災と、環境に配慮した土地利用 水害リスクを踏まえたまちづくりや、危険な盛土を全国一律で規制する「盛土等の安全確保対策」を進めます。また、生物多様性を回復させる「ネイチャーポジティブ(自然再興)」や、自然の機能を防災やまちづくりに活かす「グリーンインフラ」といった環境と共生する土地利用が新たに盛り込まれました。
  3. デジタル技術(DX)の徹底活用 災害リスクや不動産価格を地図上で確認できる「不動産情報ライブラリ」の活用や、都市を丸ごと3D化する「Project PLATEAU(プラトー)」など、デジタル技術を徹底活用して土地政策の基盤を強化します。

■ 「変わらないために、変えていく」

国の方針が「開発」から「持続可能な管理」へと大きく舵を切る中で、土地を所有する皆様がご自身の財産を適切に管理し、次世代へ安全に引き継いでいくことの重要性はますます高まっています。

国民の皆様の安心・安全な暮らしを守り、大切な財産である土地の境界を明確にするという土地家屋調査士の使命は、時代が変わっても絶対に変わりません。

しかし、その使命を果たし続けるためには、私たち自身が進化していく必要があります。国がDXを推進するように、当事務所でもドローンによる空撮測量や最新の3Dスキャナー、AI解析といったデジタル技術をフルに活用し、広大で複雑な土地であってもスピーディでわかりやすい測量データをご提供しています。

これからも「変わらないために、変えていく」という想いで、最新技術のワクワクを皆様に還元し、サステナブルな地域社会づくりに貢献してまいります。

「実家の土地の境界がわからない」「相続した土地をどう管理すべきか悩んでいる」など、土地の境界や測量についてお困りのことがありましたら、ご相談ください。

今後とも、つきさっぷ土地家屋調査士事務所をよろしくお願いいたします。

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