街で見かけるあのマークは何? 測量の土台となる「基準点測量」のお話
2026年08月03日
測量

私たち土地家屋調査士は、不動産登記(表題部)に関わる法務省管轄の国家資格者であり、土地や建物の調査・測量を行う専門家です。 洋服づくりに例えると、どんなに敏腕なクリエイターでも適正な量の生地がなければ服を生み出せないのと同じように、住宅やビルを建設する際には「精度の高い測量によって境界が明確に定められた土地」がまずは必要になります。私たちは、この社会の基盤となる「最初の一歩」を担うことで、人々の幸せな暮らしや社会の発展を下支えしているという矜持をもって日々の業務に取り組んでいます。

本日は、測量の専門家ではない一般の皆様に向けて、私たちの測量になくてはならない「基準点(きじゅんてん)」と「基準点測量」について、分かりやすくご説明させていただきます。

■ 道路で見かける「あのマーク」の正体

皆様は、道路の端や歩道、公園などで、金属製の丸いプレートや鋲(びょう)、あるいはマンホールのような蓋に「基準点」や「図根点」と書かれているのを見たことはありませんか?

実はこれらは、地球上のどこにあるか(緯度・経度・標高などの座標)が正確に分かっている、測量のための大切な「基準となる点(既知点)」なのです。

これらの中には、国土地理院や市町村などが設置した公共の基準点(基本三角点等)のほかに、私たち土地家屋調査士が業務のために設置した「登記基準点」と呼ばれるものも数多く存在しています。

■ 「基準点測量」とは何か?

土地の境界や面積を正確に測る(一筆地測量)ためには、闇雲に測り始めるわけにはいきません。必ず、絶対的な位置が分かっている「基準点」を出発点として測量を行う必要があります。

しかし、測量したい土地のすぐ近くに、いつでも都合よく基準点があるとは限りません。

そんな時に行うのが「基準点測量」です。 基準点測量とは、すでに位置が分かっている基準点(既知点)を出発点として、新たに土地の測量の基準となる点(新点)の位置を正確に定める作業のことをいいます。

新しく基準点を設ける場所には、原則として永続性のある標識(永久標識)を設置し、将来にわたって保全・管理できるようにします。

■ なぜ基準点が必要なのか?

では、なぜわざわざ基準点から測量をする必要があるのでしょうか。

それは主に以下の理由からです。

  1. 正確な地図を作るため:日本全国の土地が、どこに、どのような形で存在しているかをパズルのように正確に組み合わせて地図(法務局の地図など)を作るためには、共通の「絶対的な位置(座標)」を基準にする必要があります。
  2. 将来、境界を正確に復元するため:もし、工事や災害などでご自身の土地の「境界標(杭など)」がなくなってしまったとしても、周辺にある「基準点」が残っていれば、当時の測量データをもとに、数ミリの狂いもなく正確に元の境界位置を復元することができます。

基準点は、皆様の大切な財産である土地を正確に記録し、将来の境界トラブルを防ぐための「見えない土台」として機能しています。

もしご自宅の前や道路で基準点を見かけた際は、「これが街の安全を守る測量の基準なんだな」と少しだけ思い出していただければ嬉しいです。

■ 変わらないために、変えていく

当事務所では、ドローンを用いた最新の測量技術の導入や、3次元点群データを取得できるハンドヘルドLiDARの活用など、「変わらないために、変えていく」という想いで日々スキルをアップデートしています。

これからも、確かな技術と新しいチャレンジで、土地と土地のつながりから生まれる地域全体の幸せづくりに寄与できるようスタッフ一同まい進いたします。

土地の境界や測量に関するご相談がありましたら、お問い合わせください。

今後とも、つきさっぷ土地家屋調査士事務所をよろしくお願いいたします。

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